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『SONY ZV-E1』はスチル機としても使える?作例やメリット・デメリットをレビュー

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  • VLOGが撮りたくてZV-E1が気になっているけど、写真も撮りたいんだよなぁ
  • VLOGCAMとしての評価は高いけど、静止画性能って実際どうなの?
  • 1210万画素とか解像度足りなくない?

そんな感じで『SONY ZV-E1』のスチル機としての使用感が気になっている人も多いに違いない。僕もその一人だったから。

というわけで僕が撮り溜めてきた作例も交えながら、ZV-E1をスチル機として使ってみた本音をレビューしていこうと思います。

結論、SNSやブログなどに写真をアップする用途がメインなら全然使えますね。それはもう十分すぎるぐらいに。

が、気になる点も結構あるので、そこは記事を見て各自判断してみてください。

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efiL photo&video editor
SNS総フォロワー2,800人。
写真と映像を編む人。カメラ片手に、自分にしかできない表現を日常の中に探しています。

   使用機材

『SONY ZV-E1』の作例

あれこれ語るより実際の写真を見てもらった方が早いので、まずは作例から。

すべて『VoightLander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical VM』で撮影しています。

40mm f/2 1/200s IS0640
40mm f/2 1/200s IS0640
40mm f/2.8 1/125s IS0640
40mm f/2.8 1/125s IS0640
40mm f/1.4 1/250s IS0640
40mm f/1.4 1/250s IS0640
40mm f/1.4 1/1250s IS0640
40mm f/1.4 1/1250s IS0640
60mm f/1.4 1/8000s IS080
40mm f/1.4 1/8000s IS080
40mm f/2.8 1/8000s IS0640
40mm f/2.8 1/8000s IS0640
40mm f/2.8 1/2500s IS0640
40mm f/2.8 1/2500s IS0640
40mm f/1.2 1/400s IS0800
40mm f/1.2 1/400s IS0800
40mm f/1.2 1/4000s IS0640
40mm f/1.2 1/4000s IS0640
40mm f/1.2 1/4000s IS0640
40mm f/1.2 1/4000s IS0640
40mm f/2.2 1/3200s IS0640
40mm f/2.2 1/3200s IS0640
40mm f/1.2 1/8000s IS0640
40mm f/1.2 1/8000s IS0640
40mm f/1.2 1/8000s IS0640
40mm f/1.2 1/8000s IS0640
40mm f/1.2 1/3200s IS0640
40mm f/1.2 1/3200s IS0640
40mm f/2.8 1/2500s IS0640
40mm f/2.8 1/2500s IS0640
40mm f/2.8 1/2500s IS0640
40mm f/2.8 1/2500s IS0640
40mm f/1.4 1/8000s IS0640
40mm f/1.4 1/8000s IS0640
40mm f/5.6 1/320s IS0640
40mm f/5.6 1/320s IS0640

後半の写真は、efiLオリジナルプリセット『Animetic』を適用しています。

スチル機としての『SONY ZV-E1』のデメリット

まずは気になるであろうデメリットから。今のところ5つあります。

バルブ撮影ができない

SONY ZV-E1のメニュー画面
うそだろ、バルブ撮影の設定がないだと…?

これが痛すぎる。

バルブ撮影とはシャッターボタンを押している時間だけ露光できる機能で、花火や天体撮影などでよく使ういます。

このバルブ撮影が使えないということは、つまり「自分が意図したタイミングでシャッターを切れない」ということ。

何が言いたいのかというと、まず花火撮影は諦めてほしいです。

いや全く撮れないことはないんだけど、コントロールが超絶難しいので無理ゲーが過ぎる。

花火
一応こんな感じで撮れるんだけどさ

また、ZV-E1では最大30秒の長時間露光が設定できますが、バルブ撮影がないとそれ以上シャッターを開き続けることができません。

目指す表現や撮影環境によっては1〜2分ほど長時間露光したい場合もあるので、それができないというのは致命的デメリットです。

実は購入した後にこのことを知ったんですが、購入前に分かっていたら買ってなかったかもしれない。

ズームレバーのテンションが緩くて無駄に反応する

SONY ZV-E1のズームレバー
ズームレバーがユルい…

もぎ取りたい、このズームレバー。

ZV-E1にはシャッターボタンの前面にズームレバーが備わっています。

動画撮影時や電子ズーム搭載レンズを使う際には重宝しますが、静止画撮影の場合、このズームはJPEG撮影時のみ使用可能で、RAW撮影時には使えません。

で、使えないだけなら全然問題ないんだけど、ズームレバーを動かすと注意書きのポップアップが出て、それを消さないと撮影を再開できないというクソオブクソ仕様でして。

SONY ZV-E1のポップアップ画面
このポップアップが邪魔すぎる…

んで問題なのが、このズームレバーのテンションが緩くて、ちょっと指がかかるとすぐ反応してポップアップが出るんですよ。

これのせいで何度シャッターチャンスを逃したことか…!

地味に思われるかもしれないが死ぬほどストレスなので、RAW撮影時はポップアップが出ないような設定もできるようにしてください。

ソニーさんならできるはず。お願いします。

ダイヤルが少なく直感的な操作性が劣る

SONY ZV-E1のダイヤル

これは買う前から分かってたことですが、ZV-E1はダイヤルがとにかく少ないです。右肩と背面に1つずつしかありません。

ダイヤルはグリグリと指で直感的に操作できる優秀なコントローラーなので、少ない=操作の機動力が落ちるということ。

特にダイヤルがたくさん付いてるフラグシップ機を普段使っている人からすると、確実に物足りなさを感じると思います。

僕は街中スナップや物撮りなどライトな撮影が多いため、ボタンカスタマイズの最適化である程度使いやすくはなりましたが、ダイヤルは多いに越したことはないですね。

シャッター音がクソショボい

ZV-E1はメカシャッター非搭載の電子シャッター式のため、シャッター音が電子音になっています。

これが思ってた以上にテンションの下がる音で、初めて聞いた時は思わず唖然…。

「カシャーッ」じゃなくて「バスンッ」みたいな音なんですよ。ショックのあまり危うく構えたカメラが手から零れ落ちるところでした。

今はもう気にならなくなるほど耳が慣れてしまったけれど、シャッター音が良いほど写真を撮ってて気持ちいいのは確かなこと。

あと、相手方がいる撮影をするときに「なんかショボそうなカメラ使ってんな」って思われそうなのがなんかヤダ。

カメラマンの中にはシャッター音を気にする人も多いと聞くので、撮影体験においてシャッター音は重要な要素なんだなぁとあらためて実感しました。

トリミング耐性が低い

ZV-E1は静止画撮影の有効画素数が約1210万と、高画素化が進んでいる昨今では少ないと感じるのが正直なところ。

まぁSNSやブログにアップするぐらいなら十分なんだけど。

体感では2倍程度までならトリミングしても許容範囲って感じですが、積極的にトリミングに頼ることができないので撮影時点で構図をある程度固めておく必要があります。

なるべくトリミングしないで済むよう、そこは腕を磨いてカバーするしかない。

ちなみに、2倍程度までクロップOKということはAPS-C撮影モード(1.5倍クロップ)も普通に使えるので、そこは安心してください。

とはいえ後ほど述べるつもりですが、低画素には低画素ならではのメリットもあるので、一概に低画素がダメというわけではないです。

スチル機としての『SONY ZV-E1』のメリット

5つです。

フルサイズとは思えないコンパクトさ

SONY ZV-E1のサイズ感
めちゃくちゃコンパクト…!

こんなミニマムな筐体にフルサイズのセンサーが詰め込まれているなんて…!

僕はカメラを始めた時から「いつかはフルサイズ」と常々思っていました。

だけど、フルサイズ機の筐体サイズがネックでなかなか手を出せずにいて。

カフェとか人目のつく場所で写真撮ろうと思った時に、ゴツいカメラを出すのはなんか憚れるというかね。小心者なので。

そこでZV-E1を選んだわけですが、フルサイズなのに威圧感を全く感じさせないこのコンパクトさは本当にすごい。

このサイズ感なら気兼ねなくどこでも持ち歩ける。かさばるカメラだとそもそも持ち出すのが億劫になってしまうから。

SONY ZV-E1のグリップ感

そして意外にもグリップ感が思ってたより良好で。片手でも難なくシャッターを切れるのが強い。

ついつい肥大化しがちなカメラ周りだけど、このZV-E1をベースにできるだけコンパクトなシステムのまま運用していきたいところ。

右肩ダイヤルが親指に近くて撮影中もシームレスに操作できる

SONY ZV-E1の右肩ダイヤル

僕はFUJIFULMのカメラを愛用していたこともあって、親指でシームレスに操作できる右肩ダイヤルがお気に入りで。

ZV-E1もね、指がかりがちょうど良いポジションに右肩ダイヤルがあるのよ。親指を無理に伸ばさなくても届くところが最高なんです。

同じSONYで言うとα7シリーズは右肩ダイヤルがちょっと親指から遠い位置にあるので、あまり大きくない僕の手には馴染まなくて。

その点、ZV-E1はカメラを構えながらでもシームレスに右肩ダイヤルを操作できるのが良いなぁと感じています。

あと地味なポイントなんだけど、この右肩ダイヤルには何も印字がないのが良くて。

例えばここに露出用の印字がされていたら「露出以外を割り当てるとなんか気持ち悪い」と思っちゃうタイプの人間なので、フリーな気持ちで使えるのがありがたい。

色乗り良いからレタッチしやすい

正直、他のフルサイズカメラを使ったことがないので比較はできないんだけど、ZV-E1で撮った写真はレタッチしやすいなと。

色乗りが良いんですよ。

例えば露出設定ミスで白飛びしちゃってても、粘り強く色を戻してくれることが結構あるし。

陰になって黒潰れしていた部分も、肉眼で見るよりディテールがハッキリ再現されていたりと、高感度耐性の優秀さにも驚かされるばかり。

これは低画素だからこそ併せ持つメリットで、色の良さに関してはフラッグシップ機にも引けを取らない部分です。

僕は絶望的にカメラがヘタクソなので、ポスプロで「修正できる余白」があることにすごく助けられていますね。

デュアルベースISO搭載で暗いレンズも使いやすい

正式に公表はされていないけど、ZV-E1にはα7SⅢと同じデュアルベースISOが搭載されています。ベース値は下記のとおり。

  • ISO80
  • ISO1600

つまりISOを80か1600にすれば、極力ノイズを抑えて撮影することが可能。

この1600のベース設定が絶妙というか、おかげでシャッタースピードをかなり稼げるので、F値の大きいレンズも扱いやすいんです。

僕がメイン級で使ってる便利ズームレンズ『FE20-70mm F4 G』はF4スタートとやや暗いレンズなんですが、夜でもわりと快適に撮影できてますね。

もともとZV-E1は高感度耐性が高くノイズにも強い機種ではあるけれど、ISO1600まで上げても大丈夫という安心感は頼もしい。

RAW/JPEGファイルサイズが小さく管理しやすい

写真を撮る人ほど悩みの種となるのが、圧迫されていくストレージ。

特にRAW撮影をしているとあっという間に写真ファイルで容量がいっぱいになってしまいますよね。

カメラの画素数が多くなるほどファイルサイズが大きくなってしまうんですが、ZV-E1の少ない画素数がここでも功を奏してきます。

同じ SONYシリーズでJPEG/RAWそれぞれのファイルサイズを比較してみるとこんな感じ。

ZV-E1
(1210万画素)
α7Ⅳ
(3300万画素)
α7RⅤ
(6100万画素)
JPEG
(X.FINE)
約6MB約21MB約26MB
RAW
(ロスレス圧縮 L)
約25MB約33MB約60MB

小さい。圧倒的に小さい。

もちろん高画素の方が解像感は良くなるものの、SNSやブログなどにアップする分にはそこまで大きな違いは感じられないだろうと思っています。

それならファイルサイズが小さいぶんたくさんの写真データを保存しておける方が、メリットとしては大きいと個人的には思っています。

【結論】ZV-E1はスチル機としても十分使える

SONY ZV-E1

今回は、「ZV-E1はスチル機としても使えるのか?」という疑問に対する本音を書いてみました。

デメリットの方が目立つ感じになってますが、確かに仕事として使うには画素数や操作ボタンの少なさがネックになるのは間違いないです。

けれど、趣味としてライトに扱うぶんにはこれほど身軽で綺麗に撮れるフルサイズカメラはそう多くはないと思っています。

VLOGCAMという立ち位置ではあるが、スチル機としても十分に使える性能を誇っているので、もし静止画周りで迷っていたのなら思い切って買う価値はあります。

この優秀な静止画性能だけでなく、本命の素晴らしい動画性能がさらに備わっているのだから。

あ、ちなみに動画性能をそこまで求めないのであれば『α7CⅡ』を買ったほうが幸せになれます。

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